青いザリガニの苦難(2)
これまで…
近所で捕獲した青いザリガニ2匹を赤いザリガニ2匹とともに60㎝水槽で飼っていました。青いザリガニはカロチノイドが不足していると考え、それを含む市販の餌を与えることで、健康で、なおかつ、一般のアメリカザリガニの様に赤色になることを期待して飼育を続けていました。あるとき気が付くと、2匹の青いザリガニのうち、一匹が仰向けになりヌマエビにツマツマされていました。また、残った一匹も、左右の脚が合計で4本切れた状態になっていました。このままでは危険と考え、日頃から好戦的な動きの多かった赤い雄のザリガニを別の水槽に隔離して飼うことにしました。
ザリガニの回復力
生き残った青いザリガニ(2号)ですが、切られた脚は自切面と呼ばれる危険を最小限にするために自ら切断できるようになっている部分で切れていたようです。このため、食欲はおう盛で、赤い雄のザリガニの脅威が去ったあとは、歩きにくそうにしながらも元気に動き回っていました。
脚が切れた位置は体に近い部分(根元)だったので、回復にはかなり時間がかかるのでは、と想像していましたが、2~3週間でハッキリと分かる程度に脚が生えてきました。脱皮をしなくても生えてきた脚の先端には爪が形成され、長さもどんどん伸びてきました。
脱皮
切れた脚が順調に伸びる中、青いザリガニが再度、脱皮しました。以前の脱皮殻は白色で色が余りついていなかったのですが、今回は青色や赤色が明確に分かります。カロチノイドの一種であるアスタキサチンが、エビやカニの赤色のもとになっていることはよく知られたことだと思います。カロチノイドと蛋白質が結びついたカロチノプロテインには赤色のほか青色や紫色を呈するものがあり、アメリカザリガニの外骨格の色は、3種類の異なる色を呈するカロチノプロテインの量的差異の違いで決まっているようです。このザリガニが採取時に薄い青色を呈していたのは、カロチノイドが全体的に不足しており、青い色素だけがかろうじて残っている状態だったためと考えられます。このため、我が家に来たばかり頃の脱皮殻は白く色は付いていませんでした。飼育を始めてからはザリガニの健康のためにカロチノイドを含む餌を与え続けています。徐々にではありますが、カロチノイドがちゃんと外骨格に行き渡り始めたので脱皮殻は青や赤の色を呈したのだと思います。
ザリガニの色の制御は容易ではないかも…
カロチノプロテインには赤色以外に青色や紫色を呈するものがあるため、ザリガニにカロチノイドを含む餌を与えた場合、赤くなるだけではなく、青や紫になる可能性もあることになります。また、ザリガニの色は食べ物だけでなく、環境(外光の条件、底砂の色、水質)や遺伝的要因も関係します。このため、その色を制御することは容易ではないのかもしれません。(経験のない素人ゆえ…)。
脅威の回復力:1回の脱皮でほぼ復活
脱皮後、根元から切れていた脚は、多少、細くて短い感じはしますが、ほぼ復活しています(後ろから2番目の脚)。1度の脱皮でここまで復活するとは脅威の回復力だと思います。このザリガニは、まだ、完全には成体になっておらず、成長期であることがこの回復力の強さに寄与しているものと思います。
赤い雄のザリガニの脅威は無いので傷つくことは少ないと思いますが、新たな難関?!が待ち受けているかもしれません。(つづく)